北陸には、あちこちに豊かな自然が残っています。自然にほど近い環境に住みたい人にはおすすめで、その分ほかの土地とは違う特徴もあります。
北陸はあちこちに手付かずの自然が残り、都市部でも緑豊かな公園があります。また都市部からでも自動車で1時間ほど走れば山や川、海などにすぐアクセス可能です。
それを反映してか移住地としての人気も高く、2022年度の移住相談窓口の相談件数は北陸三県がいずれも多くなっています※。
※総務省「令和4年度における移住相談に関する調査結果(移住相談窓口等における相談受付件数等)」より(石川県8位・11,921件、福井県6位・13,168件、富山県14位・9,182件)
富山県は、3,000m級の山々が連なる立山連峰から水深1,000mを越える富山湾まで、高低差4,000mにもなる変化に富む地形が特徴です。また県のシンボルともなっている立山連峰が壁のようにそびえる光景は圧巻です。山々から流れる豊富できれいな水は、農業・工業に広く利用されています。
石川県は、能登半島から加賀に至る海岸から白山まで、南北に広がる細長い形が特徴です。北部にあたる能登は周囲を日本海に囲まれ、美しい海岸線が広がります。また南部の加賀にある白山では高山植物をはじめとした原生的な自然が残ります。
福井県は県土の75%が森林で、約300kmの海岸を有する自然豊かな県です。「木ノ芽峠」を境に「嶺北」と「嶺南」の二つの地域に分かれ、「嶺北」には、景勝地・東尋坊に代表される隆起した海岸から標高1,000m以上の山岳地まで多彩な自然環境が広がります。一方、「嶺南」は、典型的なリアス海岸の景勝地が特徴的です。
また、湧き水や地下水が多く、名水に恵まれています。
北陸で生活するときに気をつけたいことや、ほかの土地とは異なることを紹介します。
三県いずれも自家用車の所有率が高く、1世帯当たりの台数は福井が1位で富山が2位(石川は13位)※。移動は自家用車がメインで、都市部のスーパーなどがあまりないため、食料品や日用品の買い物ひとつとっても車が一般的で、出勤も自動車がほとんどです。
同時にバス網が発達しているため、主要駅から都心まではバスで簡単にアクセスできます。
※2020年3月末現在。自動車検査登録情報協会「都道府県別の自家用乗用車の普及状況」より
1世帯当たりの台数
自動車検査登録情報協会|都道府県別の自家用乗用車の普及状況(軽自動車を含む)より作成
北陸は三県ともに冬の積雪が当たり前。そのため雪に備えた用意が欠かせません。
自家用車はスタッドレスタイヤがマストです。また自宅前の雪かき用にショベル・スコップも必要で、自家用車に1本積んでおくのもおすすめです。自家用車に積もった雪を落とすための「雪下ろし棒」も欠かせないでしょう。
なお大きな道路には「融雪装置」と呼ばれる、雪を溶かす水を出す装置が埋め込まれ、容易に走行できます。
さらに北陸の雪は水分を含んで重いため、一軒家の場合、大きな木があるようなら「雪吊り」と呼ばれる枝の保護をするのがおすすめです。また履物も、冬場用の長靴やブーツがあったほうがよいでしょう。
エリア名に「北」とつくことから寒いと思われがちですが、緯度で見ると関東圏とさほど変わらず、冬場でも氷点下まで気温が下がるのは時々。四季折々、変化に富んだ風景が眺められますが、夏場は太平洋側と大差なく暑い日が続きます。
天気では、曇り空・雨の日が多く、降水日数はいずれもトップ5※1に入っています。石川県の県庁所在地・金沢市には「弁当忘れても傘忘れるな」という言葉が残るほどです。それを反映して、一軒家では物干し用のスペース「サンルーム」を設けることが多々あります。
雨・曇の日が多いことから通年を通して湿度が高め。乾燥していないからか、美肌の人が多いと言われます。北陸の人が太平洋側に旅行すると、指などがひび割れして驚くことも少なくないとか。
さらに湿度が高いことからか火災出火件数が少なく、三県いずれも下位※2となっています。
※1 年間降水日数、石川県が179日で4位、富山県が171日で2位、福井県が165日で5位。統計でみる都道府県のすがた2020より抜粋
※2 人口10万人当たりの出火件数、富山県16.2件で47位、石川県21.2件で45位、福井県25.7件で40位。統計でみる都道府県のすがた2020より抜粋
※3 気象庁の観測データより算出、抜粋
人口10万人当たりの出火件数
総務省統計局「統計でみる都道府県のすがた2020」
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